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2026/08/04
アルミニウムのアップグレードリサイクル実用化開発を開始
NEDO採択により参画企業を拡大、基礎開発から量産・自動化の実証フェーズへ前進
株式会社UACJ
YKK AP株式会社
株式会社神戸製鋼所
アサヒセイレン株式会社
株式会社エイゾス
株式会社本田技術研究所
東洋製罐株式会社
一般社団法人日本アルミニウム協会
株式会社UACJ(本社:東京都港区、代表取締役:田中信二)、YKK AP株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:魚津彰)、株式会社神戸製鋼所(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:勝川四志彦)、アサヒセイレン株式会社(本社:大阪府八尾市、代表取締役社長:谷山佳史)、株式会社エイゾス(本社:茨城県つくば市、代表取締役社長:河尻耕太郎)、株式会社本田技術研究所(本社:埼玉県和光市、代表取締役社長:秋和利祐)、東洋製罐株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:武部安光)、一般社団法人日本アルミニウム協会(所在地:東京都中央区、会長:岡本一郎)はこのほど、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(本部:神奈川県川崎市、理事長:斎藤保、以下「NEDO」)が公募した「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」に採択され、2026年度から最長で2031年度までの「資源循環型社会構築に向けたアルミニウム資源のアップグレードリサイクルの実用化開発」の研究開発を開始しました。本事業は、基礎研究から実用化開発や実証開発のフェーズへと進展させ、技術開発と社会実装に向けた取り組みをさらに推進していきます。
- 本事業の背景
アルミニウムは、リサイクルすることで原料から製造する際と比較してCO2排出量を約97%削減できるため、脱炭素社会の実現に向け重要な役割を担っています。近年アルミニウムへの注目が高まり、缶や自動車、建築資材に使われる展伸材※1の需要が増加する一方で、市中のスクラップには不純物が多いため、展伸材にはリサイクルできないという課題がありました。
これに対し、2021~2025年度に実施したNEDO補助事業※2において不純物元素の低減技術、および不純物元素を無害化する高度加工技術等の開発を行い、これらの基盤技術を確立しました。この間、UACJと東京科学大学は、2024年9月に、世界初の量産を目指す「縦型高速双ロール鋳造(縦型CC※3)実験機」をUACJのR&Dセンター内へ設置し、急冷凝固プロセスでの不純物の微細化・分散化により、アルミリサイクル材を用いた展伸材製造の技術基盤を得るに至りました。 - 本事業の展開
本事業では、これまでの基礎研究から、実用化開発、さらに実証開発のフェーズへと移行します。社会実装を見据えた量産規模でのプロセスの自動化や長時間鋳造の検証、サプライチェーンへの適合を進めていきます。
①実用化開発:要素技術の確立・自動化
基礎研究で得られた技術を、実際の工場で安定的に動かすことを目指します。
②実証開発:量産規模での検証・仕様適合
実際の量産規模に近い設備を動かし、各分野のユーザーが求める品質を満たせるか実証します。 - 今後の予定と期待される効果
2032年度以降の量産化を目指し、実用化開発と実証開発を進めていきます。本技術が普及すれば、2040年度に純化精製で年間4.8万t、縦型CCで年間16.7万tのリサイクルアルミの製造が可能になります。これにより、年間で原油16.87万kLに相当する省エネルギー効果を創出し、アルミ産業全体の脱炭素化に大きく貢献する見込みです。 - 技術開発体制
技術開発項目 実施体制 実用化開発 実証開発 純化精製
(不純物除去)YKK AP
UACJ
アサヒセイレン
産業技術総合研究所
YKK溶解から圧搾までの一連の工程を自動化する技術開発のほか、短時間で効率良く処理するための検証を行います。 量産規模での不純物分離条件の解析・設計、および生産された再生アルミ塊の性能評価を行います。 縦型CC
(不純物無害化)UACJ
神戸製鋼所
東京科学大学
大阪工業大学
東京電機大学
群馬大学20分程度(板幅1000mmの場合で総重量10tに相当)の連続鋳造技術を確立します。 ユーザーが求める板幅や厚みに対応できる実証機を用いて、缶・自動車・建材の各分野への合金種の最適製造条件を解明するとともに、試作した薄板の特性評価を行います。 プロセスDXの
導入エイゾス
東北大学AIやデータサイエンス技術を活用し、合金組成や鋳造条件から板特性を予測するモデルを構築します。また、試験機において、環境負荷などの観点から最適製造条件の探索を支援するとともに、プロセスの改善提案を行います。
AIやデータサイエンス技術を活用し、実証機・量産機において、最適製造条件の探索を支援するとともに、プロセスの改善提案を行います。 ユーザー評価 本田技術研究所
デンソー
東洋製罐―
自動車メーカー、自動車部品メーカー、容器メーカーの立場から、実際の製品へ適用できるか品質検証を行います。 規格化の推進 日本アルミニウム協会 リサイクル合金の規格化に向けたデータ収集や特許調査を進めます。 リサイクル合金の規格化に向けたデータ収集や特許調査を進めます。
- ※1 展伸材:板材・押出材・鋳造材・鍛造材・箔材などの形状のもので、缶や自動車、建築資材、空調、IT機器、航空宇宙分野などで使用されるアルミ材。
- ※2 NEDO補助事業: 2021~2025年度に実施した「アルミニウム素材高度資源循環システム構築事業」。アルミニウムのアップグレードリサイクルに寄与する不純物元素の低減技術、および、不純物元素を無害化する高度加工技術等の開発を行い、純化精製と縦型CCの基盤技術を確立した。
純化精製(溶解工程における不純物元素除去技術の開発)実施者: (株)UACJ、(株)大紀アルミニウム工業所、トヨタ自動車(株)、本田技研工業(株)、(株)デンソー、東洋製罐グループホールディングス(株)、東洋製罐(株)、産業技術総合研究所
縦型CC(縦型高速双ロール鋳造を用いた不純物無害化技術の開発)実施者:(株)UACJ、(株)神戸製鋼所、本田技研工業(株)、(株)デンソー、東洋製罐グループホールディングス(株)、東洋製罐(株)、東京科学大学、大阪工業大学、東京電機大学 - ※3 CC:Continuous Castingの略で、溶湯から直接薄板を鋳造する方法。工業用のアルミ板製造には、アルミニウムを溶解した後、スラブと呼ばれる塊を一度鋳造するDC(半連続鋳造、Direct Chill)法が用いられることが多い。
【ご参考】
「アルミニウムのサーキュラーエコノミー実現に向け、アップグレードリサイクル量産技術の確立へ前進~世界初の量産を目指す「縦型高速双ロール鋳造実験機」がNEDO助成事業で完成~」(2024年9月11日) https://www.uacj.co.jp/release/20240911.html
■アサヒセイレンについて
アサヒセイレン株式会社は創業以来90年以上にわたり「再生」を事業の根幹と位置づけアルミニウム総合リサイクルメーカーとして、限りある資源の有効利用を図ってきました。
アルミニウム二次合金の製造、溶解時に発生するドロスを活用した鉄鋼用副原料、スクラップの高度選別など、幅広いリサイクル技術を有します。
「再生を通じて資源を守る心をつなげたい」という理念のもと、官民学・社会とつながる取組を推進してまいります。